合同茶話会 ~ムーブメントを体験しよう!~

保護者の皆様には日頃から、こども療育センターの活動にご理解ご協力を賜り心からお礼申し上げます。

 

平成30年1月18日(木)、こども療育センターをご利用の親御さんにお越しいただき、3事業所合同で茶話会を行いました。

 

今回のテーマは“ムーブメントを体験しよう!”です。こども療育センターの柱のひとつでもある、ムーブメント教育・療法を、子どもたちがどのような遊具を使いながら、どのようなことをしているかを実際に体験していただき、知ってもらうことが目的です。
今回は沢山あるプログラムの中から4種類のムーブメントを体験していただきましたのでご紹介します。

 

 

①【 ハットフリスビー 】
特徴は、操作性の動きが苦手な子どもに、手首を使って投げる動作、受け止めるタイミングのスキルを高めることに適した教具です。空中で飛びやすいよう工夫がされており、投げる技術が未熟な子どもも簡単に投げることができます。

 

 

~ねらい~
・身体意識
物を投げる時やキャッチする時、どうやって手を動かすのか、どこに力が入っているかなど、身体の部位を意識して動かします。
・他者意識

 

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遊具に触れて感覚を味わった後、自分の真上に飛ばしてキャッチします。
次は、その場で頭、肩、膝など身体に乗せてみました。
さすが皆さんピタッと静止されていましたね。

 

 

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次は、頭の上に乗せて歩きました。見えない部分(頭)を意識しながら、人とぶつからないように歩くことは、空間把握が未熟な子どもたちにとっては難しいことです。
頭の上に乗せたまま、スカーフが当たらないよう、かがみながらくぐります。頭上の空間認知を高めます。

 

 

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一人で十分遊んだ後は、二人、三人と集団の活動に変化させていきます。
投げる時の力加減は固有受容感覚を高め、相手との距離感は空間認知、フリスビーをしっかり見続けることは注視力を、そして動いている物を目で追うことは追従運動(ツイジュウウンドウ)を高めます。

 

 

赤色と青色のバランサーの上に乗りながらのフリスビーは、バランス感覚をとりながら投げることや受けることを行うため、大人もグラグラ!
例えば、バランサーをひっくり返すと山なりになるため、段階を踏んで(スモールステップ)はじめはその上で行うなど、子どもたちが「できた!」と達成感を得ることができるよう工夫しながら取り組んでいます。

 

 

 

 

 

②【 パチパチおばけ 】
~こんな課題のある子どもさんに~
・指示がとおりにくい
・注意がそれやすい
・他児と一緒が苦手

 

~ねらい~
・聴く力
・注意力
・即時処理、瞬発力

 

ルールは、リーダーが「パチパチ・・・“おばけ”」と言ったら、ロープの中に入ります。
そしてリーダーは「パチパチ・・・〇〇〇」と3回まで言うことができ、3回目には“おばけ”と言うことが お約束。
リーダーにタッチされないように逃げ回ることも、子どもたちは大好き!

 

最初に“おばけ”と同じ「お」の付くものをみんなで出し合いました。
おなか、おしり、おもちゃ、おにぎり、おりがみ、おかし、おはし、オレンジ、オルガン、オニヤンマ・・・たくさん出てきました!

 

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リーダーを決めて「せーの!」「パチパチ・・・」
はじめはロープが長く、逃げ込むスペースが広いけど、徐々にロープが短くなりスペースが狭くなっていきます。

 

 

 

狭い空間や他者との距離が近いことが苦手な子どもたちも、『楽しみながらいつの間にか出来ている』ことを創り出します。

 

 

 

③【 だるまさんがころんだ 】
~こんな課題のあるお子さんに~
・聞くことが苦手
・止まることが難しい(静止することが難しい)
・同時に何かを行うことが難しい

 

~ねらい~
・固有受容感覚
・聞く
・ルール理解
・注意力
・他者意識
・空間把握
・ボディイメージ

 

ルールは、リーダーが後ろを向き「だるまさんがころんだ」と唱えている間は動くことができ、それ以外で動き、リーダーに見つかった場合は、その場から一歩下がります。前進だけでなく後ろへ下がることで身体の前後の正中線交叉を高めます。

 

 

リーダーは、みんなに向かって「準備はいいですか~?」と声をかけます。
今から始まるよ!という意識づけ、そして注意の方向をリーダーに向けるねらいがあります。

 

 

 

はじめは通常通り“前歩き”、そして次は“後ろ歩き”で行った後は・・・

 

 

 

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前向きハイハイと、後ろ向きハイハイで!
なかなか後ろ向きでハイハイをする機会はありませんよね。
“後ろ向きハイハイ”と聞いて、お母さんたちどよめいていました^^;

 

 

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好きな色のロープとビーンズバックの上だけを歩き進み、その後はロープ全てとビーンズバックの数を減らします。次の一歩をどのビーンズバックを踏めばいいか、推測しながら進みます。

 

 

ロープの上を歩くことは身体の前後の正中線交叉となり、例えば、足元のロープを右足はロープの左へ左足はロープの右へと、両足をクロスしながら歩くことは、左右の正中線交叉となります。
左右の正中線交叉は、他にも“右手”で左肩や左腕、左膝に触れることができるか、またその逆も可能かで観察ができ、書き取り「の」「ぬ」「ね」「れ」を書くことや、「△」(さんかく)を書くことが難しい子は、左右の正中線交叉が未熟な場合があります。

 

 

 

 

④【 お引越しゲーム 】
~こんな課題のある子どもさんに~
・他者を意識して関わりづらい
・お友だちとの距離感が取りづらい
・動作がぎこちない
・姿勢保持が難しい
・遊んでいる最中や歩いている時などに人や物にぶつかりやすい

 

 

~ねらい~
・ボディイメージ、空間把握
・身体コントロール
・イメージ力と一致(物から色、色から物の連想、名称と部位や色)
・社会性(指示理解、ルール理解、他者意識)
・ワーキングメモリー

 

お引越しゲームは椅子取りゲームのように競うことが目的ではないため、必ずみんなが座れるよう人数分の椅子があることが特徴です。
空いてる椅子が見つからないお友だちに、「ここ空いてるよ~」と教えてあげることで、お友だちの役に立つことやお友だちから教えてもらうことで、「ありがとう」と言う気持ちや、みんなで成功する達成感を感じることにつながります。

 

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タンバリンの音に合わせて歩きます。聴いて動くことは、聴覚連合運動を高めます。
タンバリンが止まったら、好きな色へ⇒今いた色とは違う色へ⇒指定された色へ⇒
指定された色に何人で・・・と指示が複雑になっていきます。
これはムーブメントの大切な特徴の一つ、徐々に難しくしていく、“変化のある繰り返し”です。

 

 

そして、普段ムーブメントの活動の中で、タンバリンを叩くリーダー役を子どもたちは率先して行てくれます。自分のタイミングで、みんなが動く。これは自信につながります。

 

 

歩き方も毎回変わります。
普段ムーブメントの活動の中で子どもたちにアイデアを聞くことがあります。
「せんせい!こんなのはどお?」など提案してくれた時は、「それいいね!やってみよう!!」と子どもたちの声を拾い、プログラムに追加していくので、ムーブメントのプログラムは、あって無いようなもの・・・内容が変わることはよくあること。

 

 

今回はお母さんたちに歩き方を聞いてみると・・・
「スキップ」「ケンケン」「つま先歩き」などたくさん出てきました!

 

 

最後はタンバリンが1回鳴ると「赤色マット」へ、2回鳴ると「緑色マット」へ、
3回鳴ると「青色マット」へ、そして鳴らない時は「好きな色」へ。
徐々に増やしていくことがポイント!
『タンバリンが何回鳴った時は何色?』と増える度に復習するなど、短期記憶のワーキングメモリーを高めます。

 

 

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右手と右足を同時に前に出す「すもう歩き」はぎこちないお母さんの姿もチラホラ。。。
タンバリンが2回鳴り、緑色のマットに座る時、膝の上に座り合いみんなとっても楽しそう♪

 

 

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最後は好きな色に座り、みんなで手を繋いでつながることをしました。大成功!!

 

 

 

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終了後、各ムーブメントの振り返りを行い、最後に参加してくださった皆さんに感想をお伺いしたところ、とっても嬉しいお言葉をたくさんいだたきました。

 

 

・集団が苦手でどこへ行っても入らないけど、たんぽぽに見学に来た時楽しんでは入れた。今では毎朝、「今日たんぽぽ?」と聞く。
・こどもが楽しみにしている理由がわかった。初め遊具に触れ、活動の内容がわかって安心して入れ、スモールステップの取り組みがわかってよかった。
・友だちと関われるようになった。
・ムーブメントには勝ち負けがないことや、無理やり参加しなくていいことが子どもにあってると思う。
・子どもが自分から、声をかけてくることが増え、先生方がその声を拾っているからだと理由がわかった。
・フリスビーひとつで、いろいろな使い方ができることを知ることができた。 etc・・・

 

 

ムーブメントのプログラムは、当日利用される子どもたちの発達段階に合わせて、ムーブメントリーダーがプログラムを考え行います。

 

 

そして、ムーブメントは遊びを原点としていて、楽しみながら行えるよう『環境から子どもへ近づく』よう工夫しています。
なので、無理やりはさせません。普段療育中に、何をするのか分からず不安だったり、集団が苦手な子、見本を見て「できない」と思いその場を離れる子どもたちもいます。「やりたくない」と言えば、その思いを受けとめ、部屋の隅で見ていることも、楽しんでこの空間に一緒にいるとして、見ているだけでも参加していると捉えます。
必ず「やりたくなったら、おいでね」と最後に一言伝え、新しい遊具が出てくるタイミングで、「やってみる?」と声をかけたりします。

 

 

ムーブメントは、発達障がいの子どもだけでなく、ご老人、脳性マヒの子ども、保育園・幼稚園、誰もが楽しめる活動です。
今後もたくさんの子どもたちと一緒に、ムーブメント教育・療法を通してたくさん楽しみながら、出来る事を増やしていくお手伝いをしていきます!

 

投稿者:望月